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日本住宅性能表示基準(にほんじゅうたくせいのうひょうじきじゅん)
日本住宅性能表示基準
にほんじゅうたくせいのうひょうじきじゅん
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづき、国土交通大臣が定めた住宅性能の表示に関する基準のこと。
登録住宅性能評価機関はこの基準に従って、住宅性能評価書に住宅性能の評価の結果を表示しなければならない(品確法第3条、第5条)。
この日本住宅性能表示基準は、国土交通大臣が必要に応じて公聴会を開催し、社会資本整備審議会の議決を経て、告示したものである(同法第3条)。
具体的には、平成12年7月19日の告示により、この日本住宅性能表示基準が定められた。その後、住宅性能評価の対象として既存住宅(建設工事完了後1年以上が経過した住宅や、建設工事完了後1年以内に人が住んだことがある住宅のこと)が追加されたことにより、日本住宅性能表示基準は平成14年8月20日に大幅に改訂されている。
この日本住宅性能表示基準の内容は次の1)・2)のとおりである。
1)新築住宅に関する表示基準
日本住宅性能基準では、新築住宅に関する住宅性能評価書に表示すべき事項を下記の9分野(29項目)と定めている(同基準別表第1)。
ア)構造の安定に関すること
イ)火災時の安全に関すること
ウ)劣化の軽減に関すること
エ)維持管理への配慮に関すること
オ)温熱環境に関すること
カ)空気環境に関すること
キ)光・視環境に関すること
ク)音環境に関すること
ケ)高齢者等への配慮に関すること
新築住宅に関する住宅性能評価書には「設計住宅性能評価書」と「新築住宅の建設住宅性能評価書」という2種類が存在するが、どちらの評価書においても表示すべき事項の範囲と表示方法はまったく同一である(ただし上記6のうち「室内空気中の化学物質の濃度等」に関しては「建設住宅性能評価書」だけで表示すべき事項とされている)。
新築住宅に関する住宅性能評価書には、原則として上記1から9のすべての事項を記載するべきである。ただし、依頼者の要望により上記8のうちの「重量床衝撃音対策」「軽量床衝撃音対策」「透過損失等級(界壁)」「透過損失等級(外壁開口部)」と、上記カ)のうちの「室内空気中の化学物質の濃度等」に関しては、性能評価を実施しないことができる(同法施行規則第3条第2項および国土交通省告示「住宅性能評価を受けなければならない性能表示事項を定める件」より)。
2)既存住宅に関する表示基準
既存住宅に関する住宅性能評価書は「既存住宅の建設住宅性能評価書」である。この既存住宅の建設住宅性能評価書に表示すべき事項は、次のア)およびイ)である(同基準別表2−1より)。
ア)現況検査により認められる劣化等の状況
イ)個別性能に関すること
このうち2の個別性能については「構造の安定」「火災時の安全」「維持管理への配慮」「空気環境」「光・視環境」「高齢者等への配慮」という6分野(21項目)の表示事項が定められているが、どの分野について評価を行なうかは依頼者の自由意思に委ねられている。
また、新築住宅に関する表示事項のうち「劣化の軽減」「温熱環境」「音環境」という3分野については、既存住宅の表示事項からそもそも除外されている。
このため、既存住宅の建設住宅性能評価書においては「劣化の軽減」「温熱環境」「音環境」という3分野に関する表示を行なうことができない。ただし、登録住宅性能評価機関が法律外の独自のサービスとしてこれら3分野の査定を実施することは可能である。